笑顔の行方
「あぁ~あ!
終わっちゃうねぇ~。
結局、彰人君からキスをしてもらえなかったなぁ。
まぁ、彼女だから
これからもチャンスはあるけどね!
長い目で待っててあげるよ。」

生意気な笑顔を向けられ

ギュッと鼻を摘まんでやったが。

実のところ………

何度キスしようと思ったか。

悔しいから告げてやらない。

彼女の寧々。

もうすぐ高3。

ホントは……………

キスしたって良いのかもしれない。

だけど…………出来なかった。

別に、幼い彼女に手を出してはダメだと思っているわけではない。

もちろん、3週間前はそう思っていたから

ここに泊める事も、近づくことも避けていたけど……。

今は、そんなことは思っていない。

ただ。

自分の淋しさを埋める為に

キスを考えているんじゃないのかと思うと………

どうしても、手が出せないんだ。

ホント……………………。

ヘタレだよなぁ~。
< 23 / 143 >

この作品をシェア

pagetop