笑顔の行方
「寧々、明日の休日はデートでもする?
せっかく一緒に過ごしてるのに………
家事全般を寧々に任せて、俺は仕事ばかりだったからな。
お礼とお詫びに、何でも言うこときくよ。」

俺の申し出にも、出来た彼女は……

「でも………せっかくの休日でしょう?
来週からまた出張だって………大パパとパパも言ってたし………。
洋兄も大パパが
『寧々を泣かせた罰としてこき使ってやる!』って言ってたって
教えてくれたから…………
無理せず休んで。」と

ゲッ………

いつ泣かせたヤツがバレたんだ?

兄貴達の仕返しって…………最悪。

それより…………

俺より俺のスケジュールに詳しい寧々って……………。

まぁ、それだけ愛されてるってことだけど。

「そんな心配しなさんな。
俺が兄貴達にこき使われるのなんて………いつものことだろう。
寧々とつき合うって決めてから………覚悟してるよ。
なんたって、お前はみんなに愛されてるからな。
独り占めする時ちゃんと覚悟したよ。」

俺の言葉に

「ごめんね。
モテる彼女で!」と言ってクスクス笑う。

でもその笑顔は、まんざらじゃなさそうで。

みんなに愛されてることを喜んでいる。

生い立ちを思えば…………当たり前かぁ。
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