笑顔の行方

転機

トゥルル……………。

登録していない番号の電話が、会社のデスクから聞こえた。

…………………??

嫌な予感を打ち消してコール三回で電話に出ると。

「こちら、境川駅前交番の脇田と申しますが。」と………。

交番??

悪い想像ばかりが浮かぶ俺の耳に『寧々』という名前が届いた。

「……………もしもし!
聞こえてますか?!
……………さんをご存じですよね?
もしもし!!」

脇田さんの声にハッとして

「あっ………すみません。
寧々は………家で預かっている子です。
それで……………」

「事故に遇われて、病院に運ばれています。
命に別状はないとの事ですが………
怪我をされて入院が必要です。
連絡先をお聞きしたら、こちらを教えてくれたので………」

事故と聞いて、会社を飛び出しかけたが………

続く言葉に、少しだけ冷静になれた。

ホッ。

取り合えず………命に別状はないのか………………。

怪我の具合は気になるが………

それでも、飛び出さずには済みそうだ。

「分かりました、直ぐに行きます。
それで………病院は………」

冷静になれ、詳しい内容を聞いて会社を後にした。
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