笑顔の行方
「寧々!」

ノックもそこそこに、ドアを開け中に入ると。

頭と腕を包帯で巻いた寧々の姿が目に飛び込んできた。

ここに来る前に、警察と担当医から事情は聞いていたが。

いざ目にすると………やはりショックだった。

「彰人君、おいで。」

手招きされフラフラと進む。

「ごめんなさい。
びっくりしたよね?」

言いたいことは………沢山あった。

けど…………

現実は………何も言えず………涙が溢れるばかりだった…………。

……………………………生きてて……………良かった………………。




警察で聞いた、事故の詳細は…………

身が縮むものだった。

『寧々さんは、通学途中踏み切りに飛び込まれ…………』

「えっ?!」

あまりの言葉に固まる俺に。

『あぁ!違います、違います!!
飛び込まれた女性を助けようと、遮断機を潜って
引っ張り出されたんです。』

「それで?!」

命に別状はないと聞いていたから

無事だとは分かっているが………

想像を越える内容に、詳しく詳細を聞きたい。
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