笑顔の行方
「とくに何も無いよ。
彰人君は、紳士だもん。
むしろ、報告することが無くてガッカリなくらい。
けど………
ホントに大切にしてくれてるよ。」と………。

どうやら

この間のキスは………ホントにカウントしないつもりらしい。

まぁ、助かったけど。

このメンバーは。

けしかける割りには、ホントにそんな行動をしたら………

吊し上げされそうだもんなぁ~

とくに長男の仕打ちは恐い!!

ホッと胸を撫で下ろす俺に。

「助かったみたいだな。」と、小声でからかう兄貴。

やっぱりこの人は、騙せないみたいだな。

苦笑いだけ返して

「寧々も疲れただろうから。
そろそろお開きにしよう。」と声をかける。

「彰人は、もちろん泊まって行くだろう?
病院に話をつけててやるよ。」と言う長男の申し出に………。

「嫌。
今日は帰る。
寧々、明日また来るからな。」と声をかけ

みんなと一緒に、病室を後にした。

おやっ?という表情の兄貴を無視して………

寧々のいなくなったマンションに、一人帰った。
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