笑顔の行方
「彰人君!!
何やってるの!!!
病院にも来てくれないで…………………えっ?」

そう言うと、静かに近づき…………

寝ている俺の頭をソッと撫でている。

………………………ごめん、寧々。

びっくりさせたよなぁ………………………。

明日、また来るって………約束したのにな。

寧々との約束を守らないなんて…………初めてだよな。

行こう!

行かないと!!

寧々が待ってるって………

俺の心が叫んでるのに……………。

体が動かないんだ。

ここを出て……………向かった先に。

寧々がいないかもしれない!

誰も居ないんじゃないのか?と思えて…………

立ち上がることも出来なければ。

このドアを開けることさえ、怖くて出来なかった…………。

ごめんよ。

ダメな彼氏だよな。

もう…………大丈夫。

起き上がるから…………そんな顔を…………しないでくれ。

ポロポロ涙を溢しながら。

悲しそうに、電話をかける寧々。

………………………どうやら相手は……………洋介みたいだ。

洋介なら大丈夫。

寧々の悲しみは……………薄れる。

俺は………安心して……………目を閉じた。
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