笑顔の行方
目を覚まして、一番に飛び込んできたのは…………。

白い壁と天井。

腕には無数の針と…………ヒモ。

その先には。

点滴薬と心電図とおぼしき機械。

他にも何やら物々しい機具が付いている。

……………………………………………はぁ??

ナゼ……………病院??

確か……………。

寧々が入院していて…………。

俺は、見舞いに行っていたはずでは???

分からない事ばかりの俺の顔を覗いた寧々が。

「彰人君!!!
今、先生を呼んで来るね!!」と言って

病室を飛び出して行った。

頭には包帯。

腕にはギプスをはめたままで…………。

…………………………………???




それからものの数分で看護師と担当医が駆けつけ。

飛び出した寧々に。

「貴方もまだ、怪我人なんだから。
走らず、ナースコールをして下さいね!」と

寧々に注意していた。

「はい………すみません………。」

しかし、叱られた筈の寧々は。

嬉しそうに注意を聞いている。

…………………変な奴。
< 37 / 143 >

この作品をシェア

pagetop