笑顔の行方
「お母さんの手紙………何て書いてあった?」

「寧々は、内容を聞いてないの?」

意外な質問に、質問を質問で返してしまう。

「うん。
お母さんが、彰人君と私の秘密の内容だからって………
教えてくれないの。
まさか、私の悪口じゃあないよね??」

悪口って………小学生か。

まだまだ子供の発想に笑いながら

「俺にチクられて困ることがあるんだぁ?」とからかってみる。

「困るっていうか…………。
内緒にしたいことは………あるよ?」

へぇ~

俺に内緒にしたいこと…………。

ちょっと聞いてみるか。

「彼氏に隠し事をするんだぁ~
寧々に隠し事をされるって………悲しいなぁ。」

わざと淋しそうに一人……………呟いてみる。

上目使いで寧々を見ると。

「別に、隠し事じゃないけど……………。
もうちょっとの間、内緒にしたいの。」と

あれっ?

その内教えてくれるってこと?

隠し事じゃなくて………秘密?

だったら良いか!

「分かったよ。
だったら、もうちょっと我慢する。
けど………
隠し事は、止めてくれよ。」

諦めた俺に。

「それをいうなら、彰人君だよ。
年上で大人だから………
『寧々を頼って何でも話して。』なんていうつもりはないけど……。
彼女としては………
嫌な思いさせた時くらいは、文句言って欲しいな。
一人悩んで、彰人君だけが辛い思いするのは悲しいから………。」
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