笑顔の行方
そんなこともあったよなぁ~

幼い寧々が思い浮かび

益々手を出してはいけない思いがする。

あの頃から俺にだけ見せる一途な愛情と恋心。

それ故、俺の一言で簡単に落ち込み傷ついてしまう。

………………………………。

初めて俺が意識した、つき合うきっかけのデートも…………

深く傷つけ、泣かしたよなぁ……………。

中学卒業と高校入学の祝いを兼ねて、二人で行ったお泊まりデート。

デートとは、名ばかりで。

俺としては、可愛い妹を連れて遊園地で遊ぶ気分だった。

出掛ける前に、外野の洋介達は煩さかったが

そんなの、アイツらの戯言と思っていた。

しかし、いざ二人になると

『俺から卒業する』だとか

『誰かと結婚して良い……諦める』と言い出して。

焦ってしまった俺は。

他に好きな人がいるのに、みんなが俺とくっつけようとして

困っての発言だと思い込み。

『寧々とは結婚することは、絶対ない!!』と

思いっきり振るような言葉を投げ掛けて、泣かせてしまった。

結果は……………

他の奴にくれてやるくらいなら、俺が手元で大事にしようと思い

今に至っている。

あのときも、雨の中大泣きをして観覧車から飛び出したんだよなぁ。

つくづく、自分の言動に後悔する。
< 6 / 143 >

この作品をシェア

pagetop