笑顔の行方
「ただいまぁ~」

洋介の到着を待っていたのに………

まさかのおばさん。

「バカだねぇ。
いきなり襲っちゃダメでしょう。
ちゃんと順を踏んで、優しくリードしないと。
ホント、使えない。」

玄関を開けて直ぐから、ブツブツ続く嫌みの応酬。

はぁ~っ。

ハイハイ、すみませんねぇ。

耳栓したい気分の俺に。

「仕方がないから、私もここに住むわ。
彰人、逃がさないからね。
手紙にも書いたでしょ。
寧々の為じゃないの!
貴方の為に、家族で生活するの!!
ほらっ!
そうと決まったら、ママの荷物を車から運んで。
寧々は、お母さんと買い出しよ。
今日は、みんな来るから忙しいわよ。」って……………

……………………………えっ?

おばさんも同居して

俺の家族になる??

……………………マジかぁ。

取り合えず荷物を取りに車に向かうと

彩ちゃんと洋介に

『ご愁傷さま。
今から会長と圭哉も来るから、覚悟しとけ。』と言われた。

あぁ~あ。

長い一日が、まだ続くのかぁ。

今日、退院したんだぞ!

ちょっとくらい休ませろ~

誰にいう事もできないぼやきを、車の中で呟いた。

< 60 / 143 >

この作品をシェア

pagetop