笑顔の行方
「「「「「乾杯~!!!」」」」」

アルコール中毒で入院していた俺の目の前で

旨そうに飲む大人達。

はぁ~っ。

さっきしたキスの内容も

洋介を通じて、全員に筒抜けだから………容赦ない。

俺は、当分禁酒だっていうのに……………。

「彰人は、相変わらずヘタレよねぇ~
貴文君、指導してやって!
寧々を遠ざけようと、キスして脅すなんて最低よ!
まったく、もぅ。
私がどれだけお膳立てしたら良いのか………。
寧々も彰人なんて止めちゃって、若くて賢い男にしなさい。」

ワイン片手に

ブチブチ嫌味を呟くおばさん。

「俺の会社には、信用のおける部下がいっぱいいるぞ。
なんだったら、結婚しないで会社を継いでも良いんだからな。」と

長男まで続く。

兄貴と洋介は、他人事だと高みの見物を決め込み。

二人の文句を肴に、旨そうにグラスを空けている。

…………………………

こんな事なら…………

寧々を脅さず、二人の時間を素直に楽しめば良かった…………。

あぁ~

寧々と二人の時間が恋しい~!!!
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