笑顔の行方
「だったら、水族館に行くかぁ。」

「ヤッタァ!」

久しぶりに見る寧々の笑顔とワガママ。

妹として見ていた頃は

『あそこに行きたい。』『お泊まりして。』と

よくおねだりされていたが。

彼女になった高校生からは、ワガママを一切言わなくなった。

もしかしたら

ワガママ言ってたのは、俺に構って欲しかったからかもしれない。

俺もそうだが

咲も中々ワガママが言えない。

ホントに心を許さないと………

ワガママなんて怖くて言えないものだから。

だからこそ、寧々には沢山のワガママを言って欲しい。

そして………

俺も過去を話して

寧々にホントの俺を知ってもらいたい。

「明日は、久しぶりのデートだから早く食べて寝るぞ。」

今夜のチャンスは潰れたが………

明日に繋がった。
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