笑顔の行方
「彰人君、早く~!!」

目を覚まして、下に降りると

既に、着替えを済ませて朝食の用意をしている寧々に急かされた。

えぇっ??

…………………だってまだ……………6時だぞ?

たまたま早く目が覚めて、水を飲みに来ただけだとは言いにくく

「…………………あぁ。」と生返事で答えた。

余程楽しみにしてたんだな。

それだけ寂しい思いをさせてたことを反省して

二階に戻って、着替えを済ませる。

「「いただきます。」」

いつもと違い、かなり早い休日の朝食。

「平日みたいだね。」

流石に早すぎたと思うのか、少し照れ臭そうに微笑む。

「ゆっくり出来るから、早い方がいいよ。」

俺の返事に

「無理を頼んだから………
少しでも早く出掛けて、早く帰った方がいいと思って。」と

これこれ寧々さん。

俺はどれだけおじさんに見てるんだ?

休日の1日をデートしたくらいで、そんなに次の日に堪えないぞ。

俺とは違う意味で、年の差を感じている寧々に

睨みを効かせて

ブラックを飲みほした。

「彰人君、どっちが良いと思う?」

俺の睨みに気づかない程浮かれてる寧々は。

いつの間にか片付けて

二つのイヤリングを耳に当てていた。
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