笑顔の行方
「どっちって…………イヤリングして行くつもりか?
……………って………化粧してないか?!」

「化粧って…………メイクだよ。
そんなに濃くないよ。
彰人君と久しぶりのデートだし
同じくらいに見えた方が良いかな?って思うから
ちょっとだけしてみたの。」

この間までオムツを履いてた寧々が………化粧。

子供だと思ってないが…………

こういう予告なしの成長は………戸惑う。

「イヤリングも化粧もいらない。
無くても十分可愛いから………いつもの寧々でいてくれ。」

寧々はただのデートだと思っているが………

俺は自分の過去を告白するという、一代決心の日だ。

それだけでもハードルが高いのに

化粧やイヤリングで、もっと可愛いくなられたら………

たまったもんじゃない。

「年の差を、埋めたかったんだけどなぁ~」

少し不満そうだったが

可愛いと言われたことで、気をよくした寧々は

スンナリ化粧を落としに行ってくれた。
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