笑顔の行方
「「「「「おめでとう!!!!」」」」」

パァ~ン、パァ~ン、パンパンパァ~ン!!!

想像通りのクラッカーと祝いの言葉。

メンバーも……………

兄貴二人と咲とおばさんと寧々。

……………と………。

親父??

………………………………………………………

………………………………………………………。

……………………………………………………………………………………なんで?????

兄の見合い騒動以来の親父に………………固まった。

兄貴二人とは違い

俺にとっての親父は……………。

恐くて。

憎くて。

………………逢いたくない相手だ。




「帰る。」

踵を反す俺より早い反応で

兄貴二人に、ガッチリホールドされる。

俺が逃げ帰るなんてことは、想定済みらしい。

「放せよ!!」と低い声を出す俺に

「彰人君………………ごめんね。」と泣き出す寧々。

いつもだと、寧々の涙には弱いし許してきた。

しかし…………

これは許せない。

特に、生い立ちを話した今…………これはないだろう。

コイツが浮気をしなければ…………。

お袋もおばさんも…………

俺や兄貴達も、苦しむことはなかった。

おばさんはもちろん。

本音を言えば

俺は、兄貴達にも『申し訳ない』という引け目がある。

大切だからこそ、苦しめた申し訳なさがあるのだ。
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