最初で最後の愛の話
花山さんは、友達と一緒にダンスを舞台で発表していた。ボカロ曲で、「恋愛裁判」と「おじゃま虫」を踊ると花山さんは言っていて、みんな盛り上がっていた。

しかし、無理をしすぎて花山さんは足を捻挫してしまったのだ。それでも笑顔で踊り続けていた。

花山さんは、いつも無理をするまで頑張ってしまう。六月にあった体育祭でもそうだった。頑張りすぎて熱中症になってしまった。

体育祭も文化祭も、僕たちはまだ一年生だからあと二回はある。でも花山さんはまるで今年が最後みたいに頑張るんだ。見ていると目が離せなくなる。とても、心配になっていくんだ。

「花山さん、無理しないで」

僕が何度も言っても、「大丈夫!」と花山さんはいつも笑う。その笑顔を見ていると、いつからか胸が痛くなるようになったんだ。

文化祭二日目。僕たちのクラスは、カフェをすることになっている。自分たちでカフェの制服を作った。デザインは花山さんが担当し、男子はクールに、女子は可愛らしい制服が出来上がった。
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