梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
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「小松さん、次読んで」

「はいっ! えっと……」

 奇跡は続いていて、私は今、梅咲君の隣の席で授業を受けている。ただし、それは必ずしも良いことばかりではなく。

 春満開の角から漂う優しい香りと、イケメンすぎる横顔に気を取られて、授業に身が入らない。

 今だってついついボーっとしてしまって、名指しされたのにどこを読めばいいか全然聞いていなかった。

「(その次のページ、最初からだよ)」

 そんな私に小声で梅咲君が助け舟を出してくれた。
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