梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 咲いた花に目がいったのを梅咲君が不思議そうにしていたから、思わず逃げるようにその場を離れてしまった。

 聞けばよかったのに。ちょうどいいタイミングだったのに。私のビビリ!

「朋香ぁ、王子様と何話してたのぉ? なんかイイ感じに見えたぞ」

「えっと、その」

「へえ~、ふ~ん、いつから?」

「えっ」

 真央の視線から、ハートマークが飛んでくるのがわかる。

 そういえば、真央と田村君の話を聞くのがメインで、私のコイバナなんかしたことなかった。この感じ、梅咲君とは違う意味で緊張する。
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