梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 これはもう、梅咲君は確実に人間じゃない。

 しかも、なんだか凄く、位の高い立場に違いない。

 あまりにも神々しくて、凛々しすぎた。

 ドキドキと高鳴る鼓動を抑えられない。

 そんな私の目の前で、キラキラと踊る光の中の梅咲君がいつも通りの姿に戻っていく。

 気付けば、満開だった梅の木も元に戻っていた。

「梅咲君!」

「ああ、小松さん。どうしたの?」

「桜の写真、撮りに来たんだけど……梅咲君こそどうしたの?」

「え? ああ、忘れ物しちゃってね。教室に戻るところだよ」
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