梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 驚いて振り向くと、さっきの姿に戻って顔を真っ赤にした梅咲君がいた。

 普段でも満開だと思っていた角は、ポップコーンがはじけたような密度の超満開になって、こぼれそうなほどの花を咲かせている。

 そんな梅咲君のただならぬ緊張感に、こっちまで緊張して、固まってしまった。

「こ、小松さん。驚かないで聞いて欲しい」

「う、うん。な、なにかな?」

 周囲の音は無になっていた。

 お互いの唾をのみ込む音が聞こえそうなくらいの静寂の中、梅咲君の口から発せられた言葉は。

「僕の妻になってください!」
< 21 / 107 >

この作品をシェア

pagetop