梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
「ポジティブといえば、高田さんはケヤキの加護を受けてるね。ケヤキの若葉の香りがする」
「すごい、なんでわかったの? うちにケヤキあるよ! お父さんが生まれた時におじいちゃんが植えた記念樹!」
「なるほど、それだね。植物も大切に育てると精霊に加護の力が宿ることがあるんだ」
「ケヤキの精霊か……会ってみたいなぁ」
「人間の目には見えないんだよ、あ、でも」
「見えるようになるの?」
「精霊の宿り木だっていう証拠みたいなものなら」
「見たい! それお願い、梅咲王子様!」
話が盛り上がりかけたところで、予鈴が鳴った。
あの針の筵のような教室に戻るのは気が引けるが、今年は受験生だ。
カレカノになったのに高校別々ですなんて絶対に嫌だし、よりいっそう勉学に励まなければ! 私はまたひとつ、不純な決意を胸に秘めた。
「すごい、なんでわかったの? うちにケヤキあるよ! お父さんが生まれた時におじいちゃんが植えた記念樹!」
「なるほど、それだね。植物も大切に育てると精霊に加護の力が宿ることがあるんだ」
「ケヤキの精霊か……会ってみたいなぁ」
「人間の目には見えないんだよ、あ、でも」
「見えるようになるの?」
「精霊の宿り木だっていう証拠みたいなものなら」
「見たい! それお願い、梅咲王子様!」
話が盛り上がりかけたところで、予鈴が鳴った。
あの針の筵のような教室に戻るのは気が引けるが、今年は受験生だ。
カレカノになったのに高校別々ですなんて絶対に嫌だし、よりいっそう勉学に励まなければ! 私はまたひとつ、不純な決意を胸に秘めた。