梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 梅咲君と手を繋ぐと、私にも庭にいる精霊たちの気配が感じられるようになったのだ。

 残念なことに、姿は見えない。だから、どんな形をしているのかとか、顔があったとしても表情とか、そういうのは分からない。

 けれどはっきりと存在がわかる。ほんわかと、光のような熱のような、そういうものがたくさん、本当にたくさん、そこにいるのだ。

「梅咲君、これって……」

「そう。みんな精霊だよ」

「えっ? 今見えてんの? すっげ」

「朋香、どんな? どんな?」

 二人の食いつきがすごい。
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