梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 梅咲君は今だって容姿端麗で文武両道と、四字熟語の褒め言葉をほしいままにしているのだ。

 それなのに更に富貴栄華ときたら、正直なところ私もこんな自分じゃ不釣り合いすぎて辞退したくなってくる。

 漫画やドラマとかで見る玉の輿には憧れもあったけれど、いざ自分の身に起きたとなると話は別なのだ。

「朋香さんは季節を愛で、草木を愛でるとても優しくて気品のある女性です。それに、間違いなく僕の運命の人ですから」

「は、はあ。それほどまでに……」

 ちょ……っ! 梅咲君、恥ずかしいよ、運命とかやめて!

 お父さんたち、角の事とか知らないんだから、もう……本当にこのまま消えてしまいたい。
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