梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
節王の力
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 空梅雨のように思えた六月が終わり、打って変わって七月の始まりは毎日が土砂降りだった。

 紫陽花にも似た傘の群衆が、学校へと進むごとに数を増していく。

 梅咲君は学校の梅から徒歩ゼロ分という通学至便であるにもかかわらず、毎朝、家まで私を迎えに来てくれる。

 つまり彼氏とラブラブ通学、のはずなのだが、嬉しい半分、辛さ半分、が正直な気持ちだ。

 好きな人が人気者だと、どうしても周囲の目というものが気になってしまう。

「小松さん、夏休みの間に式の日取りを決めたいんだけど、どうかな?」

「あの、梅咲君? そういうのは、ILNEとかでよくない?」

「そうかな? 会って話す方が僕は好きだよ」

「そうじゃなくて……」
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