梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 以前の威嚇(?)効果が薄れてきたのか、最近は陰で私に何かするだけじゃなく、梅咲君に聞こえるように言う子たちも増えてきた。

 もちろん、梅咲君は黙っていない。

 言い返さないという意味では黙っているのだが。

 小さな嵐のようなものを起こして、言った子の机を倒したりする。

 ああ、もうカーテンが小さく揺れ始めている。

 ガタンっ!

「きゃぁ! もう何コレ。机の中身出ちゃったじゃん、サイアク」

「なんで急に風? しかもうちらだけとか」

 節王様、実は地味に恐ろしいのだ。
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