梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
「それ以上はダメだよ、梅咲君」

「人に危害を加えたりはしないよ。だけど小松さんのことを悪く言うことは許したくないんだ」

「それは嬉しいけど……神通力ってやつ?」

「ううん、神様みたいに万能の力は僕たち精霊にはないよ」

「どう違うの?」

「精霊は『気』を操るんだよ。例えば、今みたいに風を起こすのは春風の気を使うんだ。あとは植物の成長を少し促進したり、虫も使える。だけど大きい生き物や知能の高いものは気では動かせないし、神様みたいに姿を変えたり、願いを叶えるみたいなことは出来ない」

 そっか。

 神様とは別の存在ということを、今までよくわかっていなかった。

 なんとなく似たようなものだと思っていたけれど、神様は神様で別にいるということを、初めて知った。
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