梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
*
さっきまで救急の集中治療室にいたと聞いて、私たちは急いで受付で教えてもらった個室に向かった。
ところが、そこにいたのはベッドに腰掛けて談話する元気そうな田村君と真央だった。
沈みかけの夕日によって窓の外はオレンジ色に染まり、味気ないはずの白い病室も光と影のコントラストがとても美しい。それはまるで青春恋愛映画のワンシーンのようで、一瞬、声をかけるのを躊躇った。
「あ! 朋香ごめんっ! なんともなかったって報告忘れてた!」
「無事だったんだね、よかったよ」
「え? 本当に大丈夫? はぁーホッとしたぁ」
事故に遭って無事だったというより、最初からなにもなかったような様子で、張り詰めていた気持ちが一気に緩んだ。
さっきまで救急の集中治療室にいたと聞いて、私たちは急いで受付で教えてもらった個室に向かった。
ところが、そこにいたのはベッドに腰掛けて談話する元気そうな田村君と真央だった。
沈みかけの夕日によって窓の外はオレンジ色に染まり、味気ないはずの白い病室も光と影のコントラストがとても美しい。それはまるで青春恋愛映画のワンシーンのようで、一瞬、声をかけるのを躊躇った。
「あ! 朋香ごめんっ! なんともなかったって報告忘れてた!」
「無事だったんだね、よかったよ」
「え? 本当に大丈夫? はぁーホッとしたぁ」
事故に遭って無事だったというより、最初からなにもなかったような様子で、張り詰めていた気持ちが一気に緩んだ。