梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
「でも本当によかったよね、梅咲君。……梅咲君?」
「ん、ああ。そうだね」
「どうしたの? なんかさっきから恐い顔してるよ?」
梅咲君は、笑いに溢れる空間でただひとり、一点を睨みつけるようにしていた。
「あれが見える?」
「あ……」
すっと手を握られてドキリとしたが、その瞬間、寒気のような気配と空気が薄まって呼吸が辛くなるような胸の重さを感じた。
梅咲君の視線の先に目をやると、真央の指輪をしている手の周囲に、カビのような薄暗いモヤがたちこめているのに気がついた。
「ん、ああ。そうだね」
「どうしたの? なんかさっきから恐い顔してるよ?」
梅咲君は、笑いに溢れる空間でただひとり、一点を睨みつけるようにしていた。
「あれが見える?」
「あ……」
すっと手を握られてドキリとしたが、その瞬間、寒気のような気配と空気が薄まって呼吸が辛くなるような胸の重さを感じた。
梅咲君の視線の先に目をやると、真央の指輪をしている手の周囲に、カビのような薄暗いモヤがたちこめているのに気がついた。