梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
「来ないなら俺が行くよ」

「ちょっ! 翔太、なにやっ……」

 田村君が、偶然なのか田村君にも何か気配を感じるのか、ケヤキのヒトガタのほうへゆっくりと一歩、前に出る。

 金色に光るヒトガタと田村君が重なると、光は柔らかいミルク色のオーロラに変わり、田村君の周囲を囲ったあと、体の中にそのすべてが注がれた。

「信じられない……木と人が融合するなんて」

「……すごい」

「何? 翔太、どうなっちゃったの?」

 驚く私たちや不安そうな真央に向かって、田村君がニッコリと笑った。

「どうもしねぇよ。愛の力と愛の力が合わさって、シン・俺になっただけだ」

「バカ」
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