梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
「あった!」

「うん!」

 冷え切ったケヤキの奥に、ほんのりと小さな灯のような気を見つけて、ハルが嬉しそうに声をあげた。

 次の瞬間、それはハルの力を借りて外側まで広がって、根元だけだが静かに光りだした。

「植物は強いな。もう大丈夫……だ……」

「えっ、ハル? ちょっと!」

 回復の兆しを見せたケヤキに安心したのか、力を消耗しすぎた感のあるハルがその場にへたりこんでしまった。

「朋香……」

「え、ちょっ、待っ……」
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