梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~


「朋香? 朝ごはんは~?」

「いらないっ!」

 勢いで飛び出して、鏡も見ていない。前髪に寝ぐせとかついているかもしれない。

 精霊界でハルに会うんだから、シャワー浴びてくるべきだった。そんなことを考えながら、私は走った。

 学校までなんて大した距離じゃないのに、なんだかものすごく遠く感じる。

 商店街を通り抜ける。通り一面クリスマス色に彩られているこの道を、昨日は二人で並んで歩いたのに。

 早く、一秒でも早く。あの梅の木のところへ!
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