梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~
 息を切らして学校に着くと、校庭を中ほどで仕切り、その奥で解体工事を行っていた。

 そういえば、冬休み中に旧校舎を解体するってお知らせがあったな。

 どうしよう、木のところまで行けない……

「あの、すみません、私ここの生徒で、中に用事があるんですが」

「あー、今は誰も入れないよ。入ってもなにもないし」

 そばを通りかかった作業着姿の人に訊いてみるも、撃沈。

 外から入れそうなところを探そうと、回れ右をしてその場を離れた。


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