後輩くんは溺愛を隠せない
未だに、キラキラと輝いた笑顔を向けてくる夏樹くんに私は不安になる。
そして、お店がオープンして10分後ーー、最初のお客様が来店された。
「いらっしゃいませ。佐藤様、お待ちしておりました」
私が担当している、60代夫婦のお客様だ。
「本日、新人の黒瀬も同席させて頂いてもよろしいでしょうか?」
一応、夏樹くんが同席することの確認をする。
「大丈夫ですよ」
佐藤様ご夫妻はにこやかに承諾してくれた。
良かったーーここで、断られる時もあるみたいなんだよね......。
ちなみに、これは春奈からの情報だ。
「佐藤様、初めまして。黒瀬と申します。今日はよろしくお願い致します」
「こりゃ、随分若いのがきたねぇ......」
「イケメンさんじゃないか!」
ちゃんと挨拶はできるのねーーそれも、評判の良さそうな......。
夏樹くんの挨拶を聞いて、佐藤様夫婦はニコニコと嬉しそうに言った。