後輩くんは溺愛を隠せない
家までの距離が短いーー、本当はもっと繋いでいたいけれど、名残惜しくも手を離す。
「紗知先輩、おやすみなさい。また明日!」
「うん。おやすみ」
紗知先輩は恥ずかしいのか目が泳いでいたけれど、ニコッと笑って、自分の部屋に入って行った。
「ーーどれだけ俺を振り回すんだ、あんなの反則だろ......」
既に溢れだしそうなこの想いに、俺は振り回されている。
いつか、絶対に俺の事好きにさせるーー、そう思いながら、来た道を引き返した。