後輩くんは溺愛を隠せない



「今日はお疲れ様でした」



そう言って、夏樹くんは何故か私に寄りかかってきた。


肩にーーは届かなかったので、私の頭に夏樹くんの頭がコツンと当たる。



「......ふぇっ!?」



夏樹くんの身体が触れた途端、私の身体にはピシッと緊張が走った。


1ミリも動かせないまま、固まる。



「な、な、夏樹くん?」



隠しきれないドキドキが、一瞬で身体の中を駆け巡る。


触れているところから、このドキドキが伝わってしまわないか心配だ。



「......同じーーならいいのに」


「えっ?」



同じって何がーー?そう聞こうとしたのに、切なそうな、何か言うのを我慢している様な表情の夏樹くんに私は聞くことができなかった。



「......」


「......」



聞くに聞けない雰囲気のまま、時間だけが過ぎていく。


時々、私がゴクッと牛乳を飲んでいたけれど、お互いに無言のままだ。


その間も夏樹くんは私に寄りかかっている。


何が言いたいんだろうーーそう考えを巡らせても、私に分かることはなかった。

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