後輩くんは溺愛を隠せない
夏樹くんの唇が触れた、右頬に感覚が残っている。
触れられたところが熱を持っているのを感じた。
もう、私は寝る所ではない。
こんなに熱くドキドキしてしまっては、他のことは何も考えられなかった。
ーー頭の中は夏樹くんで支配されていく。
あぁ、どうしよう......好きの気持ちが溢れて抑えられない。
今すぐ叫びたい。
こんな状態で、明日の朝顔を合わせて普通で居られるだろうか。
これからの仕事で上手くやって行けるだろうか。
意識しすぎて、空回りしてしまいそうだ。
そうならないようにする為にも、一晩で落ち着かせないと。
悶々としながらも、私は自分の気持ちに逆らうことは出来ない。この気持ちを大切にしたい。
いつの間にか、夏樹くんからは、気持ちの良さそうな寝息が聞こえてきている。
時計を見ると、日付はとっくに超えていた。
私は身体ごと、夏樹くんの方を向く。
こっちを向いて寝ていたらしい夏樹くんの顔が前にあった。
イケメンは、寝ていてもイケメンだ。