後輩くんは溺愛を隠せない
スヤスヤと眠る顔は、たまらなくかっこいい。
私はこっそりスマホを取り出して、カメラに夏樹くんの寝顔を収めた。
ーーカシャッと、シャッター音がしても夏樹くんが起きる気配はない。
きっと、思ったより疲れていたんだな。
「......好きだよ......バカっ」
思わず飛び出した言葉に、私は自分でツッコミを入れる。
聞かれてないよね?
恐る恐る見ても、規則正しい寝息を立てているだけ。
良かったーー。
ホッと息を着く。
気持ちを伝えるにしても、まだ自覚したばかりだ。
すぐに伝えるつもりは無い。
それに、夏樹くんに振り回されていたのは、最初からじゃないか。
こうなってしまったからには、この気持ちをプラスに変えてみせるーー、私はそう決意した。