後輩くんは溺愛を隠せない
7.君のヒーロー
出張から戻り、2週間。
戻ってきてから1週間で、夏樹くんとまとめた資料は、みんなにも好評だった。
ちなみに、戻ってすぐに部長には抗議に行った。
「部長、ちょっとお時間いいですか?いいですよね?」
有無を言わさない勢いの私に押されたのか、おぅ......と応じてくれたのはよかった。
「どうして、一部屋しか取らなかったんですか?」
「そ、それはだな、お前たちが喜ぶと思って......」
結果的には、喜んだ。
ーーだけど、私の心臓の為にも、今後はやめて欲しい。
「そんな気遣い要りません。今後は辞めてください、分かりましたか?」
「お、おぅ」
これじゃ、どっちが上司なのか分かったもんじゃない。
「わかって貰えたなら、良かったです」
私はそう言って、にっこり笑い仕事に戻った。
それからは、また通常業務に戻ってきている。
ーー1部を除いては......。
「紗知先輩、あと10分で予約の時間ですよ」