後輩くんは溺愛を隠せない
資料をまとめていた夏樹くんが、時間を知らせてくれる。
「分かった。そろそろ準備しようか」
「はい。俺、お茶の用意してきますね」
夏樹くんがお茶を入れている間に、私は資料の最終確認。
いつの間にか、この役割分担になっていた。
時間短縮にもなるし、夏樹くんの入れるお茶はお客様にも好評なので、任せてしまっている。
そして私は、引き出しにしまってある資料から、目的の資料を探した。
「あれ......?」
昨日準備して、しまったはずなのに無い。
この引き出しは出来上がった資料様にしているから、他にあるってことも無いとおもうけれど、一応全ての引き出しを開ける。
「どうしたんですか?」
デスクの中を引っ掻き回していると、お茶を持った夏樹くんが戻ってきた。
「ちょっとコピー行ってくるね」
幸い、データはUSBとパソコン内にも残っているので、すぐに出すことは出来る。
「えっ、もうすぐ来ちゃいますよ?」