後輩くんは溺愛を隠せない


自分のデスクに戻った時、お弁当を広げていた夏樹くんは不思議そうに言った。


ちなみに、夏樹くんのお弁当は自分の手作りらしい。


ーー全く、どこまで器用なんだ。



「うん、お水あるからいいやと思って」


「しょうがないですね、これ、飲みます?」



そう言って差し出されたのは、ストレートティー。


たまに私が飲んでいるやつだ。


夏樹くんが飲んでるのは見たことないーー。


なんで持ってるんだろう。



「朝、コンビニ寄った時にクジで当たったんです。俺飲まないんで、あげます」



私の思っていることが分かったのか、そう言って押し付けてきた。


偶然だったのかーー、わざわざ買う目的も無いもんね。


私のために買ってくれたのかと、内心舞い上がっていたので、少しガッカリだ。


貰うけど......。



「ありがとう」


「どういたしまして~」



夏樹くんが、キラキラな笑顔を向けてきたところで、さっきの4人が帰ってきた。

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