後輩くんは溺愛を隠せない


廊下に落ちているかもと、探しながら戻る。


はぁ、無いな......


どこいったんだろうーー、デスクに戻ろうと視線をあげた時、視界の隅に見覚えのあるものが写った。



「ん?」



目を向けてみると、私の探していたUSBがあった。


目印につけていたキーホルダーも私のモノだ。


だけどーー、何故ゴミ箱に......。


それも、見つけてくださいとでも言うように、1番上に置かれている。


こんな事、一体誰がーー。


そう思いながら、拾い上げた。その時、下を向いていた私に黒い影がおちる。



「柏木さん、少しいいかしら?」



頭をあげると、そこに居たのは、お昼に陰口を言っていた人の1人だった。


私が、USBを見つけたこのタイミングで、声をかけて来るなんてーー。


それも、何してるの?という目では無く、何故か私を睨みつけている。


もしかして、この人が捨てた犯人......?


今までの、印刷された資料をどこかに隠すだけなら、まだ良かった。

< 164 / 214 >

この作品をシェア

pagetop