後輩くんは溺愛を隠せない
廊下に落ちているかもと、探しながら戻る。
はぁ、無いな......
どこいったんだろうーー、デスクに戻ろうと視線をあげた時、視界の隅に見覚えのあるものが写った。
「ん?」
目を向けてみると、私の探していたUSBがあった。
目印につけていたキーホルダーも私のモノだ。
だけどーー、何故ゴミ箱に......。
それも、見つけてくださいとでも言うように、1番上に置かれている。
こんな事、一体誰がーー。
そう思いながら、拾い上げた。その時、下を向いていた私に黒い影がおちる。
「柏木さん、少しいいかしら?」
頭をあげると、そこに居たのは、お昼に陰口を言っていた人の1人だった。
私が、USBを見つけたこのタイミングで、声をかけて来るなんてーー。
それも、何してるの?という目では無く、何故か私を睨みつけている。
もしかして、この人が捨てた犯人......?
今までの、印刷された資料をどこかに隠すだけなら、まだ良かった。