後輩くんは溺愛を隠せない


私の事が、気に食わないのは知っている。


だけど、その前にーー。



「私のUSBを盗んで捨てたのはあなた達?」


「えぇ、そうよ。でも、ちゃんと見つけられるところに置いておいたでしょ?」



何故か自信満々に言う彼女たち。


置いておいたと言うけれど、その場所はゴミ箱だ。


捨てたと言ってもおかしくない。


返事次第では、無かったことにしようとも思ったけれど、限界だ。



「あなた達は、何をしたかわかっているの?お客様に迷惑かけるところだったの、分かってる?」



私がキレ気味に言ったことで、今まで口を出さなかった他の人たちも喋り始めた。



「あなたが、黒瀬くんの手柄を横取りしてるのがいけないんじゃない!」


「は?」



思ってもいなかった言葉に、ポカンとなった。


私が手柄を横取りしてる?一体いつ?



「それに、客に媚び売って実績伸ばしてるとか、そんなことして嬉しいわけ?」


「えっと......」


全く言われていることが分からない。

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