後輩くんは溺愛を隠せない


お昼の時にもそのような事を言っていたけれど、身に覚えがないのだ。



「そんなことしてないけど......、夏樹くんに手伝ってもらった分は夏樹くんの実績として反映させているし、別にお客様に媚び売っているわけじゃない。普通に仕事してるだけなんだけどーー」



実際の事を言っただけなのに、彼女たちは私が反論したことが気に食わなかったらしい。



「仲がいいからって、夏樹くんの飲み物をとったりしてどういうつもり?」



飲み物は、お昼の時のことかなーー、それなら、とったというより、普通に貰ったのだけれど。



「あんたなんかが、黒瀬くんの指導係になるとかありえないのよ!卑怯な手を使って黒瀬くんを騙しているなんて最低ね」



頭に血が上った彼女には、さっき私が言ったことは、伝わらなかったみたい。


卑怯な手なんて使ってないし、指導係になったのも部長に言われたからだ。


けして、自分からやりたいと言った訳では無い。



「あのーー」


「あんたなんか、黒瀬くんと釣り合わないのよ!」


< 168 / 214 >

この作品をシェア

pagetop