後輩くんは溺愛を隠せない


実は、私は暗いところが少し苦手だったりする。


それに、今日は雨が降りそうだから、明るくなることは期待できないだろう。


どうしようかと考えていたけれど、何も思いつかず、ずっと立っているのも、足に負担がかかるため、とりあえず奥の方に行き壁に背中を預けて座った。


シーンと静まり返る室内に、無意識のうちに鳥肌が立つ。


夏に向けて暖かくなってきたとはいえ、夜は冷える。


薄着で来てしまったため、少し肌寒かった。



「大丈夫......大丈夫......」



どれくらいたったのだろう。


時計もないので、時間の感覚が分からない。


いつの間にか、外は本格的に雨が降っていた。遠くで雷の音も聞こえる。



「くしゅっ」



私は自分の身体を温めるように縮こまっていた。


時間が経つにつれて、足の痛みも酷くなってくる。


これは、本当にやばいかもしれない。


痛みのある部分に触れると、熱を持って腫れているのがわかった。


冷やさないといけないけれど、冷やせるものは何も置いていない。

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