後輩くんは溺愛を隠せない
「もう、あの人達に紗知先輩に手出しはさせないんで、安心してくださいね」
「う、うん......って、え?」
今あの人たちって言った?
夏樹くんは、誰が私を閉じ込めたか知ってるってこと?それに、手出しはさせないってーー、一体何をしたんだ。
「あっ......」
夏樹くんは、言っちゃったと言うような表情をしてる。
「あ、あの、夏樹くんーー」
「紗知先輩は気にしなくていいですよ。そのままで居てくださいね」
これ以上は、何も言わないとでも言うように夏樹くんはそっぽを向いた。
これは、言う気無さそうだし、聞き出せないなーー。
そう思った時、忘れていた恐怖が戻ってきた。
外では、これでもかと言うくらいに雨が降っていて、強く窓に打ち付けている。
そして、次の瞬間ピカっと一瞬光ったあと、すぐに雷が落ちるものすごい音がした。
「ひっ!」
声にならない叫び声をだして、目の前の夏樹くんに抱きつく。
さっきまでは、気を張っていたからか、ここまでの恐怖はなかったのにーー。