後輩くんは溺愛を隠せない
やっていくうちに、夏樹くんなりのやり方を見つければいいのだから。
私は、応援しよう。そう思って声をかけた。
「私みたいになる必要はないよ?
......でも、まぁ......頑張って?」
立ったまま話している私達。
身長差があるので、私は夏樹くんの目を見るように見上げながら言った。
「......っ!頑張るーー頑張ります!だけど......そんな、顔しないでください!!」
それは一体、どんな顔だろうーー?
夏樹くんは、私の顔を見たくないのか、顔を背けている。
「私は元々こういう顔だけど......?
見苦しかったなら、ごめんね......」
応援したのに、少しショックだ。
「あ、えっと、違くてーー」
しょんぼりとした私に夏樹くんは、慌てた様子で顔を赤くしながら言う。
「......可愛い......から」
最後の一言は、小さい声だったけど、私には聞こえた。
「可愛い......?私が......?お世辞?それとも貶してるの?」
「どうしてそうなるんですか!!
......褒め言葉に決まってるでしょう!」
そう言った夏樹くんは、さっきよりも顔が赤くなっている気がした。