後輩くんは溺愛を隠せない


さすがにひとりで潰れるまで飲んだりはしない。


私も仕事を終わらせて、いつものお店に向かった。


行きなれた道を1人で歩き、いつもの地下へと続く階段をおりる。


カランコロン~



「あ、さっちゃんいらっしゃい。ひとり?珍しいね」



私がお店に入ると、顔見知りの店員ーー瀬田さんが出迎えてくれた。


考えてみれば、いつも誰かと一緒に来ていたのでひとりで来るのは初めてかもしれない。


実は、このお店には夏樹くんが来た初日意外にも4人でよく来ていた。


たまに誰かが用事があって、3人になったり、2人になったりはしたけれどーー。


もちろん、初日以外は飲む量をセーブしていたので、潰れてはいない。



「今日はひとりなんです......」


「じゃあ、今日はカウンターにする?」



カウンター席は初めてだ。


ひとりで個室を使うのも寂しいので、頷いてその提案を受け入れる。



「案内するね~」



いつもの個室があるエリアでは無く、奥に進んで行くと、5人ほど座れる小さなカウンター席があった。

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