後輩くんは溺愛を隠せない
「どうというか、突然過ぎて分からない......考えてみてって言われたから、そのまま帰ってきちゃった」
瀬田さんと付き合うなんて、想像したことも無かったから、言われてびっくりしたから逃げてきたって感じになっている。
『黒瀬くんは?どうするの? 』
「っ、なんでそれを!」
『バレてるから、好きなんでしょ?』
春奈には、言った覚えがないと思っていたら、バレてたらしい。
そんなに分かりやすかったかな......?
「好きーーだけど」
私からは、連絡しにくい。
『だったら、悩む必要ないじゃん。紗知の中ではもう答え出てるでしょ?』
「ーーそうだよね。明日にでも瀬田さんと話してくる」
『ちょっと、明日?紗知、明日から忙しくなるの忘れてない?』
明日と聞いて、春奈が焦ったように言った。
そうだった。
明日から1週間は仕事が忙しくなるらしいのだ。
部長からも、この1週間だけは、少し残業して欲しいと言われているのを忘れていた。