後輩くんは溺愛を隠せない



「俺、紗知先輩に一目惚れしたんです。

この会社に入ったのも、動機は不純だったかもしれないけれど、仕事を通して紗知先輩の事がもっと知れて、仕事の楽しさも教えて貰えて、本当にここに来れて良かったと思ってます」



私だって、夏樹くんが来てくれて本当に良かったと思っている。


夏樹くんのおかげで、後輩に教えるやり方も学べたし、夏樹くんと一緒に仕事するのは楽しかった。


それを伝えようと口を開いたけれど、真剣な顔の夏樹くんを見て声が止まった。


ここまで真剣な様子の夏樹くんは、初めて見る。



「夏樹くん......?」



何を言われのだろうと、途端に不安が身体中を駆け巡る。


そんな私を前に、夏樹くんは深く深呼吸をしてから口を開いた。



「紗知先輩、俺は、これからもずっと紗知先輩と居たいです。本当は仕事が1人前になってから言おうと思っていたんですけど......

俺、紗知先輩が好きです。なので、俺と結婚してください!」


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