後輩くんは溺愛を隠せない
私は昼間の1件があったから、そこまで驚かないけど......。
「へい、おまちぃ!」
た、たすかったぁ......、シーンとした空気で、なんて声を出せばいいのか迷っていた時に、ちょうど店員さんが私の頼んだ飲み物を持ってきた。
ナイスタイミング!
「さ、さぁ、食べようか!」
気を取り直して、春奈が言った。
「そうですね!食べましょう!」
胡桃もそんな空気を吹き飛ばすかのように明るく言う。
「はい、それじゃあ、お疲れ様~そして、夏樹くんの歓迎会ーーということで、かんぱーい!」
一気に空気が戻り、私も明るくグラスを掲げて、飲み会がスタートした。
それぞれがおつまみをつまみながら、お酒を片手に話し始める。
「ねぇ、黒瀬くんってモテるでしょ?」
春奈が突然、ぶっ込んだ質問を夏樹くんにする。
「えっ?まぁ......そうですね......」
「嬉しくないんですか?」
「好きな人から好かれるのは嬉しいですけど、どうでもいい人から好かれてもちょっと......」